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母国にいる親を呼び寄せたい外国人の方(老親扶養と高度専門職ビザ)

2019-05-01

2023-11-12

 

「母国にいる親を日本に呼び寄せて一緒に暮らすにはどうすればいいですか?」

 

とても多くいただく質問で、皆さんが悩まれている問題です。結論から申し上げますと、現在の日本の制度では海外にいる親を呼び寄せるための明確なビザが存在しません。観光や親族訪問という目的での短期滞在ビザは発給されますが、長期にわたり日本に滞在することはできません。

 

ではどうすればいいのでしょうか?

 

ここではとても稀なケースですが、【特定活動ビザ】を取得して親を呼び寄せる方法及び【高度専門職ビザ】での親の帯同方法をご紹介いたします。条件にあてはまる方は親御さんと一緒に暮らせる可能性があります。

 

老親を扶養する外国人女性のイメージ

 

母国にいる親を呼び寄せたい外国人の方(老親扶養と高度専門職ビザ)

特定活動(老親扶養)ビザを取得する

まず一つ目の方法として特定活動というビザを取得するという方法です。繰り返しになりますが、日本で暮らす外国人が海外から親を呼び寄せるためのビザというものは存在しません。ですからここでいう特定活動(老親扶養)ビザというのは、特例的に許可が出た場合に便宜的にこのように呼ぶのであって、実際に出入国在留管理局に相談しても「そのようなビザはないので申請できません。」という回答が返ってきます。

 

上記のような状況ですので具体的にクリアすべき条件や必要書類というものが明示されていないため、出入国在留管理局の裁量による部分が非常に大きい申請です。このような厳しい状況ではありますが、過去の傾向として特定活動ビザの許可が下りる可能性のある要件(のようなもの)を説明します。

 

特定活動(老親扶養)ビザの要件

もちろん、「ただ日本に住みたい」「子どもと暮らしたい」という理由ではこのビザの許可は下りません。法務大臣(出入国在留管理局)の個別判断となりますが、最低限以下のような要件をクリアし、さまざまな要素を総合判断したうえで許可が下りることがあります。

 

  1. 親の年齢がおおむね70歳以上であること
  2. 親を扶養する親族が本国にいないこと
  3. 日本で呼び寄せる人が適切な扶養者であること
  4. 扶養者は親が日本で生活するための生活費を負担できること

 

1: 呼び寄せる親が高齢(おおむね70歳以上)であること

出入国在留管理局も形式的だけで審査を行っているわけではありません。ここでいう70歳という年齢は規定されているものではなく、病気や障害がある等の事情を丁寧に説明することで70歳未満でも許可が下りる可能性はあります。

 

2: 呼び寄せる親を扶養する親族が本国にいないこ

本国での身寄りの有無によって、許可の可能性は大きく異なります。本国でご両親のいずれかが他界されて身寄りがなくなってしまった場合で、あなたにご兄弟など他に身寄りがいないというケースが該当するかと思います。

 

本国にあなたのご兄弟など身寄りがある場合や、両親共にご健在な場合は、本国で支え合って暮らしていただきたいというのが出入国在留管理局のスタンスであり、日本の政策であると考えます。

 

※あくまでも審査は個別に行われるので、「身寄りがなければビザがもらえる」ということではありません。

 

3: 日本国内で呼び寄せようとしている外国人が、適切な扶養者であること

あなたが呼び寄せようとする親の子であるという事実に加えて他の親族、例えばアメリカで暮らしている兄は収入が少ないため、兄よりも自分が適切な扶養者である、ということを説明することで許可の可能性を上げることができます。さらに日本国内にいるあなたが明確に扶養する意思表示をするということも大切です。

 

4: 日本国内で扶養しようとする外国人が、親が生活するための生活費を負担できること

税金を滞納していないことや、預金ほか生計面での安定的収入があることを説明する必要があります。日本で生活する外国人家族の収入や生活安定性が非常に重要であるという理由は、本国から親が入国してもその後日本の生活保護を利用するようでは許可の取得が望めないからです。高齢の親と共に日本で暮らすということは扶養家族が増えるということです。それをまかなって十分な収入や貯蓄があることを審査されます。

 

 

このように親を本国から呼び寄せるために重要なポイントは、身寄りがないことや扶養者の生活安定性ということももちろん大切ですが、もともと存在しないビザ申請でいかに「なぜ日本であなたの親が暮らす必要があるのか?」ということをいかに説得力のある具体的資料で疎明していくか、ということにかかっています。必要書類に正解もありませんので、上記の要件をすべてクリアするための資料を揃え、許可の可能性を上げることが大切です。

 

特定活動(老親扶養)取得の流れと更新

この特定活動というビザは、通常のビザのように認定証明書というもので呼び寄せる手続きでは取得することができません。まず1度短期滞在ビザを取得して入国し、その後在留資格を特定活動へ変更するという手続きになります。

 

この老親扶養の特定活動ビザを無事取得できた場合、1年間の在留期間が付与され更新することも可能ですのでご安心ください。ただし来日された親御さんは扶養されるためのビザであるため、日本で就労することはできませんのでご注意ください。

 

更新は1年ごとで特定活動ビザのまま一定年数を在留し、日本への定着性が認められる状態になれば、告示外定住といって「定住者」ビザへ変更することができる場合もあります。

 

 

 

親の呼び寄せが難しい理由とは??

 

親の呼び寄せが難しいのは理由があります。まずは親を呼び寄せるための明確なビザが存在しないことがあげられますが、それだけではありません。そこには日本の高齢化社会や財政難、生活保護受給者の増加による財源の確保などが無関係ではなく、高齢の外国人受入れを認めることによって医療費や生活支援の面での負担が大きくなり、新たな支出をする局面が生じることへの懸念などが積極的に受け入れることができない背景にあるようです。

 

 

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高度専門職ビザでの親の帯同

もうひとつの方法として「高度専門職ビザでの親の帯同」という方法があげられます。高度専門職を取得すると、原則として現行制度では、就労を目的とする在留資格で在留する外国人の親の受入れは認められませんが、高度専門職ビザ(高度人材)を取得されている方については一定の条件下にはなりますが、下記の目的での親の入国・在留が認められています。

 

目的

・高度人材外国人又はその配偶者の7歳未満の子(養子を含みます)を養育する場合
・高度人材外国人の妊娠中の配偶者又は妊娠中の高度人材外国人本人の介助等を行う場合

 

 

要件

・高度人材外国人の世帯年収が800万円以上であること
(高度人材外国人本人とその配偶者の年収を合算したものをいいます)
・高度人材外国人と同居すること
・高度人材外国人又はその配偶者のどちらかの親に限ること
(「どちらかの親」とは、高度人材外国人の両親もしくは配偶者の両親のどちらかという意味です。)

 

 

ただし、こちらの呼び寄せは、あくまでもあなたの子どもの面倒を見るためのものですので、一番下のお子さんが7歳に達した場合には滞在できる理由がなくなり帰国しなければなりません。

 

お子さんの7歳の誕生日にお別れしなければならないという寂しいことにはならないですが、次回の更新はできないものとお考え下さい。帰国することを想定して呼び寄せる必要があるのがこの高度人材での親の帯同なので、よくご家族で話し合ってから手続きに入ることをおすすめします。

 

 

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この記事を書いた人

 

金森国際行政書士事務所代表 金森大
金森国際行政書士事務所 代表

金森 大

 

国際物流会社にて本社海外業務部を経てハンガリー駐在員事務所立ち上げ、同所長として駐在。帰国後、自身の就労ビザ取得経験から外国人ビザ取得のサポートに特化した行政書士事務所を2018年開業。年間相談件数1500件以上。

 

【取材実績】

  • 新聞通信社「資格外活動許可と外国人アルバイト」(2019年3月11日)
  • 朝日新聞社「技人国と不法就労」(2020年9月28日)
  • 神奈川新聞社「飲食店での不法就労助長」(2020年10月5日)ほか多数

 

【講師実績】

  • 「技術・人文知識・国際業務」ガイドライン改訂について(VICS行政書士渉外事例研究会)
  • 就労系在留資格事例紹介講師(VICA行政書士渉外事例研究会)
  • 入管実務研修会講師(神奈川県行政書士会)
  • 国際行政書士養成講座講師(就労部門)2022年・2023年
  • 士業対象就労ビザセミナー講師(渋谷区)
  • 横浜中央支部研修会国際業務講師2022年・2023年
  • 「社会制度セミナー(外国人コミュニティ社会参加促進事業)」セミナー講師 第4回「知っておきたい在留資格 ~安定した未来を築くために~」((公財)かながわ国際交流財団) ほか多数

 

 

 

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