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教育ビザの外国人が語学スクールでアルバイトをするためには
2019-12-15
2023-11-14
私は現在教育ビザ在留しているアメリカ人です。日本の小学校で生徒に英語を教えていますが、週末は時間があるためアルバイトをしようと考えています。
家の近所に民間の英会話スクールがあるので、そこで英語を教えるアルバイトをしようと考えています。同じ英語を教える仕事なので、特に許可を取らずにアルバイトをすることは可能ですよね? |
教育ビザで民間の英会話スクールで働く仕事は、教育ビザで許された活動の範囲を超えているので、アルバイトをするためには「資格外活動許可」を取得する必要があります。
教育ビザの外国人が語学スクールでアルバイトをするためには
語学講師の就労ビザについて
語学の講師として日本で働くための就労ビザには、大まかに分けると「教育」ビザと「技術・人文知識・国際業務」ビザがあります。
教育ビザはざっくり言えば小学校や中学校などの学校で教師として働くためのビザで、民間の語学スクールで働くためのビザは技術・人文知識・国際業務ビザというように、活動する内容や場所で明確にビザが分かれています。
※ここでは大学で教授や助教授、講師として働くための「教授」ビザの説明は割愛させていただきます。
アルバイトをするためには資格外活動許可が必要
上記の通り学校で働くためのビザと語学学校で働くためのビザは、ビザの種類が異なります。ですので、教育ビザで働くあなたが語学スクールでアルバイトをするためには、あなたの持つ在留資格外の活動ということになるので、「資格外活動許可」を取得する必要があります。
これを取得せずに働いた場合には不法就労となると同時に、資格外活動許可を取得していない教育ビザの外国人を民間の語学スクールで働かせた場合には、語学スクールの雇用主が不法就労助長罪となるので、十分に注意してください。
このケースと反対の場合、つまり技術・人文知識・国際業務ビザで語学スクールで働く外国人が、小学校等で語学を教えるアルバイトがあった場合も同様に資格外活動許可が必要ということになります。
雇用主も知らない場合がある?
教育ビザで働く外国人の中には、同じように語学を教える仕事はご自分の持つビザで許された活動の範囲内と考えて、もしくは資格外活動許可が必要であることをご存知ないまま、語学スクールへアルバイトの面接へ行く人がいます。
通常は語学スクールの採用担当の方が、教育ビザと技術・人文知識・国際業務ビザは別々のビザだから資格外活動許可がなければ働けませんよ、ということで資格外活動許可を取得してから面接に来るように促します。
ところが中には同じ語学を教える仕事なので、しかも小・中学校で教えている先生なら、教育ビザでアルバイトができると思い違いをしている語学スクールの採用担当者もいるようです。
上記でもお伝えした通り、資格外活動をさせた場合には、雇用主も不法就労助長罪として「3年以下の懲役又は300万円以下の罰金、もしくはその両方を併科」というかなり重い罪になります。必ず在留カードやパスポートで在留資格等をご確認してから雇用するようにしてください。
もちろんアルバイトをする外国人の方も不法就労として罰則があるので、必ず予め資格外活動許可を取得してから面接に行くようにお願いします。 |
資格外活動許可の取得方法
資格外活動許可を申請するためには、以下の必要書類を用意して住居地を管轄する出入国在留管理局へ申請します。
教育ビザや技術・人文知識・国際業務ビザのような就労ビザを持っている方の場合の資格外活動許可は、留学生などが取得する包括許可ではなく、個別許可となります。
個別許可とは、アルバイト先の雇用主の名称、所在地及び業務内容等を申請にもとづいてあらかじめ個別に指定する場合の許可のことです。
アルバイトをすることができる時間制限も個別に許可されますが、あくまでも現在持っているビザの活動を妨げない程度、つまり本業に支障をきたさない範囲に限られます。さらに、本業で副業禁止規定がないかどうかも同時にご確認ください。
必要書類等
当該申請に係る活動の内容を証明する書類 1通
在留カードの原本を提示
※本人以外の方が、当該申請人に係る資格外活動許可申請を行う場合、在留カードの写しを申請人に所持させるようにしてください。
身分を証する文書等の提示(申請取次者が申請する場合)
旅券又は在留資格証明書を提示
旅券又は在留資格証明書を提示することができないときは,その理由を記載した理由書
申請先
住居地を管轄する地方出入国在留管理局
手数料
かかりません
申請できる人
1.申請人本人
2.申請の取次の承認を受けている次の者で、申請人本人から依頼を受けた者
・申請取次行政書士や弁護士
・申請人本人が経営している機関や雇用されている機関の職員
・申請人本人が教育を受けている機関の職員
・外国人の円滑な受入れを図ることを目的とする公益法人職員
3.申請人本人の法定代理人
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小中学校から語学スクールへ転職をする場合
今回のテーマではありませんが、教育ビザで小学校で働いている外国人が語学スクールでアルバイトをするのではなく、転職する場合についても簡単に触れておきます。
まず、教育ビザで小学校で働いている外国人の方が、中学校や高校へ転職する場合ですが、この場合にはビザの変更は必要ありません。同じ教育ビザという範囲内での転職だからです。
この場合には次回に更新手続きをスムーズにするために就労資格証明書を取得しておくことをお勧めしますが、更新期限が間近で証明書を取得する時間がない場合にはそのまま更新許可申請をすることになります。この場合の更新も、これまでの単純更新よりかなり大変な申請になります。
一方で、小学校から民間の語学スクールへ転職する場合には、ビザの種類が変わるのでビザの変更が必要となります。具体的には教育ビザから技術・人文知識・国際業務ビザへの「在留資格変更許可申請」を行います。
この変更申請は今まで教育ビザを更新(延長)してきた方もいらっしゃるかもしれませんが、これまでの更新手続きと比べとても大変な申請となります。
ご自分で申請する方もおりますが、更新期限を過ぎて変更許可が下りない場合は出国準備となり、再申請で許可が下りない場合には日本に在留することが難しくなります。申請に不安がある方は専門家にご相談ください。
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この記事を書いた人
金森 大
国際物流会社にて本社海外業務部を経てハンガリー駐在員事務所立ち上げ、同所長として駐在。帰国後、自身の就労ビザ取得経験から外国人ビザ取得のサポートに特化した行政書士事務所を2018年開業。年間相談件数1500件以上。
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