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特定活動46号ビザの要件と具体例を徹底解説します

2021-04-27

  2024-03-01

 

特定活動46号ビザで働きたいのですが、どうすればよいですか?

 

このような相談を受けることが多くなりました。あなたのようにN1など高い日本語能力をお持ちで、日本の高等専門学校、短大、大学、大学院を卒業の場合、「特定活動46号」ビザを取得し、日本語を用いた円滑なコミュニケーションを駆使して現場労働を含む幅広い活動ができる可能性があります。

 

ここでは特定活動46号ビザを取得するための要件と具体例をどこよりも詳しく解説しています。

 

特定活動46号で働く外国人女性

 

特定活動46号ビザの要件と具体例

このビザは2019年に特定活動の46番目のビザとして追加された比較的新しいビザです。

 

日本の学校で修得した広い知識、応用的能力等のほか、留学生としての経験を通じて得た高い日本語能力を活用することを要件として、幅広い業務に従事する活動を認めるものです。

 

技術・人文知識・国際業務」(技人国)ビザでは、一般的なサービス業務や製造業務を主な活動とすることは認められませんが、「特定活動(46号)」ビザでは、一定の要件をクリアすればこのような活動をすることが可能です。

 

そもそも「特定活動」って何?

 

特定活動」ビザとは、「法務大臣が個々の外国人について特に指定する活動」のことで、ほかのビザには当てはまらない活動を行うために特別に設けられているビザです。

 

「特定活動」は告示で定められているだけでも52号まであり(※)、それぞれ異なる要件があります。ここで紹介する「特定活動」46号は、46番目の「特定活動」ということですね。

 

ちなみに、「特定活動」47号は何のビザかご存じですか?「特定活動」47号は、「特定活動」46号で働く外国人の配偶者や子のビザです。「家族滞在」ビザではないので申請する際にはご注意ください。

 

(※)2024年3月現在

 

 

特定活動46号・47号の申請代行はこちら
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特定活動46号でできる仕事の具体例

ここでは「特定活動」46号ビザでできる仕事の具体例をあげていきます。「特定活動」46号ではレストランやコンビニ、スーパー、タクシー会社、お弁当工場・・・と、通常の就労ビザ(技人国ビザ)では考えられない職場で業務をすることができる可能性があります。

 

受動的で単調な現業作業のみに従事するのでなければ、かなり広範な職種において幅広い業務をすることができるビザといえます。次のような業務に興味があれば、このビザの取得をご検討ください。

 

1.飲食店での接客業務

飲食店に採用され、店舗管理業務や通訳を兼ねた接客業務を行うもの。日本人に対する接客をすることもできます。ただし、厨房での皿洗いや店舗の掃除のみに従事することはできません。

 

2.工場でのライン作業

工場のラインにおいて、日本人従業員から受けた作業指示を技能実習生や他の外国人従業員に対し外国語で伝達・指導しながら、自身もラインに入って業務を行うもの。ただし、ラインで指示された作業だけに従事することはできません。

 

3.小売店での接客販売業務

小売店において、仕入れ、商品企画や通訳を兼ねた接客販売業務を行うもの。日本人に対する接客販売業務を行うことも可能です。商品の陳列や店舗の掃除のみに従事することはできません。

 

4.ホテルでの接客

ホテルや旅館において、翻訳業務を兼ねた外国語によるホームページの開設、更新作業等の広報業務を行うものや、外国人客への通訳(案内)を兼ねたベルスタッフやドアマンとして接客を行うもの。日本人に対する接客を行うことも可能です。ただし、客室の清掃のみに従事することはできません。

 

5.タクシードライバー

タクシー会社において、観光客集客のための企画・立案や自ら通訳を兼ねた観光案内を行うタクシードライバーとして活動するもの。通常のタクシードライバーとして常務することも可能です。ただし、車両の整備や清掃のみに従事することはできません。

 

※タクシーの運転をするためには、別途第二種免許を取得する必要があります。

 

6.介護業務

技能実習生、特定技能等の外国人従業員への指導など、管理的職務行いながら、自身も日本語を用いて介護業務に従事するもの。ただし、施設内の掃除や衣服の洗濯のみに従事することはできません。

 

7.製造ライン作業

食品製造会社において、他の従業員との間で日本語を用いたコミュニケーションを取りながら商品の企画・開発を行いつつ、自らも商品製造ラインに入って作業を行うもの。ただし、単に商品製造ラインに入り、日本語による作業指示を受け、指示された作業のみに従事することはできません。

 

 

 

特定活動46号は転職できるの?

 

転職はできますが、ビザ「変更」が必要です。

 

「特定活動」は、法務大臣に特別に指定されたビザと書きましたが、ここがポイントです。「特定活動」46号を取得すると、指定書という紙がホチキスでパスポートに貼付されますが、この指定書には勤務先までが指定されています。

 

転職するとこの指定書に書かれた勤務先が変わるので、ビザの変更まで必要なんですね。例えば、A社からB社へ転職する場合、「特定活動」46号(A社指定)から「特定活動」46号(B社指定)への変更が必要です。ビザの「更新」ではありません。

 

転職の際にこのような手間がかかる点は、通常の就労ビザとは大きく異なる点です。

 

 

特定活動46号への変更申請代行はこちら
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「特定活動」46号の要件

日本語能力「N1」相当という大きな要件をまずは満たす必要があります。そのほかにも細かい要件がありますので見ていきましょう。

 

特定活動46号の要件

 

  1. 日本の大学を卒業または大学院を修了し学位を授与されていること
  2. 日本語能力N1またはBJTビジネス日本語能力テスト480点以上取得
  3. 契約形態等
  4. 日本人と同等以上の報酬
  5. 日本語を用いた円滑な意思疎通を要する業務
  6. 日本の大学(院)で修得した広い知識・応用的能力を活用する業務

 

1.日本の高等専門学校、短大、大学又は大学院を卒業(修了)し学位を授与されていること

日本の高等専門学校、短大、大学、大学院の卒業・修了が対象ですので、海外の大学や、日本の日本語学校は対象外です。

 

日本の専門学校を卒業した方の場合、「高度専門士」の学位を取得した方に限り、本制度の対象です。

 

2.日本語能力N1またはBJTビジネス日本語能力テスト480点以上取得

N1とは、日本語能力試験(JLPT)で1番高いレベルです。このように高い日本語能力を有することが要件の一つですが、N1以外にBJTビジネス日本語能力テスト480点以上や、日本語能力試験の旧試験制度「1級」でも要件を満たします。

 

上記のほか、大学(院)において日本語を専攻して卒業(修了)した方については、上記を満たすものとして取り扱われます。

 

また、外国の大学(院)で日本語を専攻した方も、上記日本語能力を満たすものとして取り扱われますが、日本の大学(院)も卒業(修了)している必要があります。

 

N1認定の目安

 

「特定活動」46号取得に向けてN1を取りたい!という方は、次のような内容をクリアする必要があります。N1の試験は年間を通して少ないので、BJTビジネス日本語能力試験も併せて計画的に受験しましょう。

 

  • 幅広い話題について書かれた新聞の論説、評論など、論理的にやや複雑な文章や抽象度の高い文章などを読んで、文章の構成や内容を理解することができる。
  • さまざまな話題の内容に深みのある読み物を読んで、話の流れや詳細な表現意図を理解することができる。
  • 幅広い場面において自然なスピードの、まとまりのある会話やニュース、講義を聞いて、話の流れや内容、登場人物の関係や内容の論理構成などを詳細に理解したり、要旨を把握したりすることができる。

 

3.契約形態等

ガイドラインには次のような活動が該当すると記されています。

「法務大臣が指定する本邦の公私の期間との契約に基づいて、当該機関の常勤の職員として行う当該機関の業務に従事する活動」

 

「法務大臣が指定する」ということは、指定書により勤務先などが指定され、転職時にはビザ変更申請が必要となることはご説明しました。

 

ここで特にポイントとなるのは、「当該機関の常勤の職員として行う当該機関の業務」です。

 

つまり、フルタイムの常勤での雇用が想定されているのでパートやアルバイトは対象外であるとともに、委任契約や請負契約は含まれないと考えられます。

 

さらに当該機関の「職員」の業務ということは、雇用が前提ですので、派遣契約による派遣先の業務はすることができないと解されます。入管法における「職員」とは雇用契約において雇用された者を意味します。

 

4.日本人と同等以上の報酬

昇給面を含め、日本人大学卒業者・大学院修了者と同等額以上の報酬である必要があります。同じ業務に従事する場合の給与相場や、母国での実務経験がある方はその経験が加味された報酬であるかどうかも考慮に入れて報酬額を決定する必要があります。

 

5.日本語を用いた円滑な意思疎通を要する業務

こちらは単に雇用主等からの作業指示を理解し、自らの作業を行うだけの受動的な業務では足りず、いわゆる「翻訳・通訳」の要素のある業務や、自ら第三者へ働きかける際に必要となる能動的な日本語能力が求められ、他者との双方向のコミュニケーションを要する業務である必要があります。

 

6.日本の大学(院)で修得した広い知識・応用的能力を活用する業務

日本で学んだ学術上の素養を背景とする業務が一定水準以上含まれていること、または将来的にそのような知識労働に従事することが見込まれていることが必要です。

 

学術上の素養を背景とする業務というのは、大学等で修得する知識が必要とされるような業務で、一般的には次のような業務です。

 

 

 

特定活動46号から永住申請できる?

 

「特定活動」ビザというと、帰国困難や出国準備なども「特定活動」ビザなのであまり印象が良くない外国人の方も多いかもしれませんが、「特定活動」46号は要求される要件のレベルがとても高いため、取得できる方があまりいないむしろ特別な凄いビザです。もちろん「特定活動」46号から将来永住許可申請をすることはできます。

 

「特定活動」46号で就労する期間は、永住許可申請をするための就労期間とみなされます。一般的には日本に10年以上居住し、そのうちの5年以上を「特定活動」46号で在留することで、永住申請する際の居住要件は満たすことになります。要件を満たせば途中で就労ビザ(「技人国」ビザや「高度専門職」ビザ)への変更ももちろん可能です。

 

「特定活動」46号は、「留学」ビザからのビザ変更時は必ず1年の在留期間が付与されます。永住申請をするためには最低3年の在留期間が必要なので、その後の更新で3年の在留期間にならないうちは永住申請ができませんが、就労の活動範囲で言えば通常の就労ビザではできないさまざまな活動ができるので、ぜひご検討ください!!

 

将来経営管理ビザを取得したい方は、現場実務を事前に経験できるというメリットもありますよ。

 

 

 

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「特定活動」46号で従事できない業務

風俗営業活動

ここでいう風俗営業とは、パチンコ店、マージャン店、ゲームセンター、キャバクラ、ホストクラブなども含まれます。その他照度10ルクス以下のバーや喫茶店、ホステスのいる飲食店などもこの風俗営業のカテゴリーです。このほかの、いわゆる性風俗関連特殊産業といわれる仕事も当然することはできません。

 

業務独占資格を要する業務

これは法律上資格を有する者が行うこととされている業務で、例えば弁護士や司法書士、行政書士などが該当し、これらの業務では特定活動46号を取得することはできません。

 

 

 

必要書類

「留学」ビザから「特定活動46号」ビザへ変更する場合の必要書類のご案内です。

 

  • 写真1枚(縦4㎝x横3㎝、無帽、無背景、3か月以内に撮影
  • 返信用はがき
  • パスポート
  • 在留カード
  • 雇用契約書(または労働条件通知書)
  • 雇用理由書(上記の書類の内容から、日本語を用いた業務等、本制度に該当する業務に従事することが明らかな場合は提出不要です。)
  • 卒業証書(写し)または卒業証明書
  • 申請人の日本語能力を証明する文書(N1又はBJT480点以上の証明書)
  • 課税証明書及び納税証明書(もしくは非課税証明書)
  • 事業内容を明らかにする資料(勤務先ホームページの写し、登記事項証明書など)
  • その他
 

必要書類につきまして

 

法務省の入管HPでは、上記のようなビザ申請に必要な書類の一覧表が公開されています。

 

これらの公表書類というのは「申請を受け付けはしますよ」という必要最低限の書類なので、これらの書類のみで許可を取得できることはほぼありません。理由書や補強資料を一緒に添付して申請するのが一般的です。公表資料だけで許可が出てしまうと、不正な申請でも資料が揃っていると許可を出さざるを得ない状況が発生する可能性が高いからです。

 

理由書はA4サイズで2枚程度記載し提出しますが、この理由書が添付されていない場合には職務内容の詳細が不明で追加資料通知が届くことがよくあります。また、追加資料通知なしにいきなり不許可となることも実務上散見されます。

 

許可取得の可能性を最大限まで上げるために、当事務所では申請人様のそれぞれの事情から、添付すべき書類そして添付すべきではない書類を判断し、最適な申請をさせていただいております。

 
 
 
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この記事を書いた人

 

金森国際行政書士事務所代表 金森大
金森国際行政書士事務所 代表

金森 大

 

国際物流会社にて本社海外業務部を経てハンガリー駐在員事務所立ち上げ、同所長として駐在。帰国後、自身の就労ビザ取得経験から外国人ビザ取得のサポートに特化した行政書士事務所を2018年開業。年間相談件数1500件以上。

 

【取材実績】

  • 新聞通信社「資格外活動許可と外国人アルバイト」(2019年3月11日)
  • 朝日新聞社「技人国と不法就労」(2020年9月28日)
  • 神奈川新聞社「飲食店での不法就労助長」(2020年10月5日)ほか多数

 

【講師実績】

  • 「技術・人文知識・国際業務」ガイドライン改訂(VICS行政書士渉外事例研究会)
  • 就労系在留資格事例紹介講師(VICA行政書士渉外事例研究会)
  • 入管実務研修会講師(神奈川県行政書士会)
  • 国際行政書士養成講座講師(就労部門)2022年・2023年・2024年
  • 士業対象就労ビザセミナー講師(渋谷区)
  • 横浜中央支部研修会国際業務講師2022年・2023年・2024年
  • 「社会制度セミナー(外国人コミュニティ社会参加促進事業)」セミナー講師 第4回「知っておきたい在留資格 ~安定した未来を築くために~」((公財)かながわ国際交流財団) ほか多数

 

 

 

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