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外国人を雇用する場合の就業規則についてかんたんに説明します

2020-01-26

 

外国人を雇用した後にときどきトラブルとなることが多い企業は、しっかりと就業規則を作成していないことが原因のひとつのようです。

 

例えば就業規則がごくかんたんな内容であったり、日本語の就業規則しか準備されていない場合、有給休暇の取得方法や契約書に記載した額面と手取りが違うという問題がよく起こります。

 

ここではそのようなトラブルをできる限り少なくするために、就業規則についての基本的事項をご紹介していますので見ていきましょう。

 

 

 

就業規則とは

就業規則とは、労働時間、賃金、退職(解雇)等の労働条件や労働者が就業上守るべき規律を使用者が定めたものです。

 

常時10人以上の労働者(パートタイム労働者等を含む)を雇用する事業場では、就業規則を必ず作成して、労働基準監督署に届け出なければなりません。

 

また、労働者が10人未満の事業場でも作成したほうが望ましいです。

 

外国人雇用においては、日本語での就業規則だけでなく、できれば雇用する外国人の母国語、もし難しいようであれば英語の就業規則を用意して内容を確認してもらうようにしましょう。英語表記であれば母国語に翻訳することが比較的容易になります。

 

次に、この就業規則に定めておくべき内容をご紹介します。

 

就業規則に定めておくべきこと

就業規則には必ず定めておく必要のある「絶対的必要記載事項」と、職場にその制度があるのであれば必ず定めておく必要のある「相対的必要記載事項」があります。それぞれ確認してみましょう。

 

絶対的必要記載事項

次の各事項は、就業規則に必ず記載する必要があります。

  • 始業・就業時間、休憩時間、休日、休暇(育児・介護休業法による育児休業、介護休業等を含む)、交替制における就業時転換に関すること
  • 賃金の決定、計算及び支払いの方法、締め切り及び支払いの時期、昇給に関すること
  • 退職に関すること(解雇の事由を含む)

 

相対的必要記載事項

次のような定めをする場合、つまり職場で次のような制度がある場合には、就業規則に必ず記載する必要があります。

  • 退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払いの方法、支払いの時期に関すること
  • 退職手当を除く臨時の賃金等(賞与、臨時の手当等)及び最低賃金額に関すること
  • 労働者の食費、作業用品その他の負担に関すること
  • 安全及び衛生に関すること
  • 職業訓練に関すること
  • 災害補償及び業務外の傷病扶助に関すること
  • 表彰及び制裁の種類及び程度に関すること
  • このほか、当該事業場の労働者すべてに適用される定めをする場合は、これに関すること

 

その他賃金や育児・介護休業に関する規定等、特に細かく定める必要がある場合には、複数の規則に分割して作成することもできますが、すべてを労働基準監督署に届け出なければなりません。

 

就業規則に関する注意点

就業規則に書かなければならない内容は上記の通りです。

 

就業規則は、労働基準法等の法令を下回ったり、その事業場で適用される労働協約に反する内容のものは作成できません。就業規則が労働基準法等の法令を下回る場合には、その部分は無効となり、労働基準法等の法令が適用されます。労働協約に反する場合は、終業規則を修正しなければなりません。

 

 

周知義務について

使用者は、就業規則を常時各作業場の見やすい場所に掲示したり、備え付けたり、書面を労働者に交付したり、パソコン画面で確認できるようにするなど、労働者がいつでもみることができるようにしておかなければなりません。

 

労働契約法では、労働契約を締結する場合において、使用者が合理的な労働条件が定められている就業規則を労働者に周知させていた場合には、労働契約の内容は、その就業規則で定める労働条件によると規定しています。

 

就業規則を変更するには

就業規則を作成したり、変更したりするときは、使用者はその事業上の労働者の過半数で組織する労働組合、それがない場合には老奏者の過半数を代表する者の意見を聴き、その意見書をつけて管轄の労働基準監督署に届け出なければなりません。

 

労使でよく話し合い、法令遵守で職場の実態に合うような内容に改善していくことが望まれます。

 

労働契約法では、労働者との合意なく一方的な就業規則の変更により、労働者に不利益な労働条件の変更ができないと定められていますので、以下のような場合を除き、変更する際にはご注意ください。

 

経営状況の極端な悪化等により、就業規則の変更が可能な場合

は次の条件を満たすこと

  1. 変更後の就業規則を労働者に周知させること
  2. 変更が合理的なものであること

 

なお、労働契約において、労働者及び使用者が、就業規則の変更によって変更されない労働条件として予め合意していた部分については、変更の効力が及ばないのでこちらもご注意ください。

 

 

 

※就業規則やその他労働関連法規についての詳細につきましては、顧問先の社労士の先生などにご相談ください。

就労ビザ取得の観点からのお問い合わせは、ぜひ就労ビザに詳しい行政書士にお問い合わせ下さい。

 

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この記事を書いた人

 

金森国際行政書士事務所代表 金森大
金森国際行政書士事務所 代表

金森 大

 

国際物流会社にて本社海外業務部を経てハンガリー駐在員事務所立ち上げ、同所長として駐在。帰国後、自身の就労ビザ取得経験から外国人ビザ取得のサポートに特化した行政書士事務所を2018年開業。年間相談件数1500件以上。

 

【取材実績】

  • 新聞通信社「資格外活動許可と外国人アルバイト」(2019年3月11日)
  • 朝日新聞社「技人国と不法就労」(2020年9月28日)
  • 神奈川新聞社「飲食店での不法就労助長」(2020年10月5日)ほか多数

 

【講師実績】

  • 「技術・人文知識・国際業務」ガイドライン改訂(VICS行政書士渉外事例研究会)
  • 就労系在留資格事例紹介講師(VICA行政書士渉外事例研究会)
  • 入管実務研修会講師(神奈川県行政書士会)
  • 国際行政書士養成講座講師(就労部門)2022年・2023年・2024年
  • 士業対象就労ビザセミナー講師(渋谷区)
  • 横浜中央支部研修会国際業務講師2022年・2023年・2024年
  • 「社会制度セミナー(外国人コミュニティ社会参加促進事業)」セミナー講師 第4回「知っておきたい在留資格 ~安定した未来を築くために~」((公財)かながわ国際交流財団) ほか多数

 

 

 

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