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技能ビザ(調理師、スポーツ指導者など熟練した技能のビザ)
2018.10.26
2023-11-14
ここでは就労ビザのうち、調理師など「技能」ビザについて説明しています。技能ビザ申請の必要書類や求められる実務経験年数うなどを知りたい方はこちらをご覧ください。
調理師としてビザを取る3つのポイント
技能ビザ(調理師、スポーツ指導者など熟練した技能のビザ)
技能ビザとは、日本の公私の機関との契約に基づいて行う、産業上の特殊な分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する活動ができる在留資格のことをいいます。コックさんをイメージされるとわかりやすいかもしれません。
在留期間
5年、3年、1年または3月
該当する職種
該当する職種は以下のものです。日本人で代替することができない産業上の特殊な分野とは、日本の水準よりも外国の技能レベルが高い分野及び日本において従事する技能者が少数しか存在しない分野を指しますので、以下に規定された職種以外には認められていません。
種類 | 必要な実務経験年数 | |
1. | 料理の調理、外国特有の食品製造 | 10年(5年)以上 |
2. | 外国特有の建築・土木 | 5年または10年以上 |
3. | 外国特有の製品製造・修理 | 10年以上 |
4. | 宝石・貴金属・毛皮の加工 | 10年以上 |
5. | 動物の調教 | 10年以上 |
6. | 石油探査の改訂掘削、 地熱開発の掘削、 改訂鉱物探査の改訂地質調査 | 10年以上 |
7. | 航空機の操縦(パイロット) | 250時間以上 |
8. | スポーツ指導者 | 3年以上または オリンピック等国際大会出場経験者 |
9. | ソムリエ | 5年以上または 国際ソムリエコンクール出場経験等 |
それではひとつひとつ見ていきましょう。
1.調理師(料理の調理、外国特有の食品製造)
技能ビザで就労する外国人で一番多いのがこの調理師です。
調理師の基準は、料理の調理又は食品の製造に係る技能で、外国において考案され我が国において特殊なものについて10年以上の実務経験(外国の教育機関において当該料理の調理又は食品の製造に係る科目を専攻した期間を含む。一定のタイ人調理師を除く)を有する者です。
具体的には中華料理専門店、タイ料理専門店、ベトナム料理専門店、フランス料理専門店、インド・ネパール料理専門店などで勤務する外国人調理師が対象です。
タイ人調理師については5年の実務経験で可能です。
実務経験については日本での実務経験は加算されません。
調理師での技能ビザ取得について詳しくはこちら
日本の調理師専門学校を出て技能ビザはとれますか?
ときどきいただく質問ですが、調理師で技能ビザを取得するには10年(または5年)以上の実務経験が必要です。
本国で実務経験の要件を満たす人は、来日してすぐに稼ぎたいと思いますので、わざわざ日本の調理師学校や専門学校に来て料理を勉強する人はほとんどいません。
そうなると、日本の専門学校で調理の勉強をしている外国人の方は、比較的若い方で、ほとんどが実務未経験であるはずです。
ところが、本国での職業専門学校等での就学期間はこの10年(または5年)に含まれますが、日本の調理専門学校での就学期間はこの期間に含まれず、実務経験として上乗せされることもないので、調理の専門学校を卒業しても技能ビザを取得することはまずできないでしょう。
もちろん、調理の専門知識やその他の学歴、語学等の能力を活かして、企業でのメニュー開発・企画・広報のような業務であれば、「技術・人文知識・国際業務」ビザを取得できる余地はあります。こちらも必ず取得できるとは限りませんので、履修科目と職務内容の関連性をよく考慮し、検討されることをおすすめします。 |
2.建築技術者(外国特有の建築・土木)
建築技術者の基準は、外国に特有の建築又は土木に係る技能について10年(当該技能を要する業務に10年以上の実務経験を有する外国人の指揮監督を受けて従事する者の場合にあっては、5年)以上の実務経験(外国の教育機関において当該建築又は土木に係る科目を専攻した期間を含む。)を有する者です。
具体的には中国式、韓国式、ロマネスク方式、バロック方式、ゴシック方式などの建築技術者のことを指します。
外国特有の製品の製造・修理
外国に特有の製品の製造又は修理に係る技能の基準は、この技能について10年以上の実務経験(外国の教育機関において当該製品の製造又は修理に係る科目を専攻した期間を含む)を有する者です。
具体的にはペルシア絨毯、ヨーロッパ特有のガラス製品などの日本にはない製品の製造・修理またはシューフィッターなどの修理に係る技能をいいます。
宝石・貴金属・毛皮加工の技能者
宝石・貴金属・毛皮の加工に係る技能の基準は、この技能について10年以上の実務経験(外国の教育機関において当該加工に係る科目を専攻した期間を含む)を有する者です。
毛皮加工については、文字通り毛が生えた皮の加工である必要があります。毛が生えていない皮革加工は対象外となります。
動物の調教師
動物の調教に係る技能についての基準は、この技能について10年以上の実務経験(外国の教育機関において動物の調教に係る科目を専攻した期間を含む)を有する者です。
石油・地熱等掘削調査の作業員
この技能に係る基準は、石油探査のための改定掘削、地熱開発のための掘削又は海底鉱物探査のための海底地質調査に係る技能について10年以上の実務経験(外国の教育機関において石油探査のための海底掘削、地熱開発のための掘削又は海底鉱物調査のための海底地質調査に係る科目を専攻した期間を含む)を有する者です。
パイロット(航空機の操縦)
この技能に係る基準は、航空機の操縦に係る技能について250時間以上の飛行経歴を有する者で、航空運送事業の用に供する航空機に乗り込んで操縦者としての業務に従事する者です。
操縦者として業務に従事とは、定期運送用操縦士又は事業用操縦士のいずれかの技能証明を所持して、機長又は副操縦士として業務に従事することをいいます。また、機長又は副操縦士の技能証明を所持していても、250時間以上の飛行経歴がない場合は基準に適合しません。
航空機関士としての業務は、「技能」ではなく「技術」ビザに該当します。
スポーツ指導者
この技能に係る基準は、スポーツの指導に係る技能について3年以上の実務経験(外国の教育機関において当該スポーツの指導に係る科目を専攻した期間及び報酬を受けて当該スポーツに従事していた期間を含む)を有する者で、当該技能を要する業務に従事する者又はスポーツの選手としてオリンピック、世界選手権など国際競技会に出場したことがある者です。
プロスポーツの監督、コーチとしての活動は技能ではなく「興行」ビザに該当します。
国際競技には2国間や親善競技会は含まれません。
ソムリエ
この技能に係る基準は、ぶどう酒の品質の鑑定、評価及び保持並びにぶどう酒の提供(以下「ワイン鑑定等」という)に係る技能について5年以上の実務経験(外国の教育機関においてワイン鑑定等に係る科目を専攻した期間を含む)を有する次のいずれかに該当する者のことです。
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技能ビザ取得のポイント
技能ビザは、「産業上の特殊な分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する」という特性上、外国人の実務経験・業務内容について証明する資料の提出がポイントとなります。
受け入れる(スポンサーとなる)会社や店舗も本人と同じく審査の対象となります。会社側は経営の安定性・継続性が審査されますのでこれらを過去の決算書などから十分に立証する必要があります。
上記1でお伝えした調理師で技能ビザを取得することはこれまで不法入国が多かったため、入国管理局では審査を慎重に行う傾向があり、他のビザに比べて許可までに時間がかかることがしばしばあります。
調理師での技能ビザ取得はこちら
技能ビザQ&Aはこちら
技能ビザ申請必要書類
ここでは技能ビザのなかで最もお問い合わせの多い、カテゴリー3(※)の企業が海外からコックさんを呼び寄せる場合の必要書類について記載しています。
※カテゴリー3の企業とは、前年分の源泉徴収税額が1000万円未満の企業として区分されている企業です。これが1000万円以上になるとカテゴリー2の企業となり、提出する必要書類が少なくなります。 |
共通書類
- 在留資格認定証明書交付申請書
- 証明写真(縦4㎝×横3㎝)無帽・無背景・3か月以内に撮影
- 返信用封筒 ※宛先を明記の上、404円切手を貼付
会社が用意する書類
- 採用理由書※従事する業務の内容を証明すること
- 本人の履歴書※申請に係る技能を要する業務に従事した機関及び内容・期間を明示
- 雇用契約書または役員に就任する場合は役員報酬を決議した株主総会議事録
- 定款のコピー
- 登記事項証明書
- 会社案内
- 前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表(受付印あるもの)のコピー
- 直近年度の決算報告書のコピ
- 飲食店営業許可証のコピー
- メニューのコピー
- 店舗の写真(外観、看板、入口、店内、厨房)
- 店舗の平面図
- 店舗の不動産賃貸契約書のコピー
※店舗不動産を所有している場合は登記事項証明書を提出
申請人が用意する書類
中華料理人の場合
- 戸口簿
- 職業資格証明書
- 在職証明書
- 工齢証明書
タイ料理人の場合
- タイ料理人として5年以上の実務経験を証明できる文書
- 初級以上のタイ料理人としての技能水準に関する証明書
- 申請を行った日の直前の1年間にタイで妥当な報酬を受けていたことを証明する文書
その他の各国料理人に関する書類
- 前職の在職証明書
- 公的機関が発行する証明書
必要書類について
こちは入管ホームページに記載の必要書類です。これらは必要最低限の書類なので、申請する方や受け入れ機関によってさらに必要な書類もあります。
当事務所では申請人ひとりひとりに最適な書類をそろえ、ビザ取得の可能性を最大限まで上げる申請をさせていただきます。 |
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この記事を書いた人
金森 大
国際物流会社にて本社海外業務部を経てハンガリー駐在員事務所立ち上げ、同所長として駐在。帰国後、自身の就労ビザ取得経験から外国人ビザ取得のサポートに特化した行政書士事務所を2018年開業。年間相談件数1500件以上。
【取材実績】
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