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専門学校の外国人が留学ビザから就労ビザへ変更する方法
2021-09-06
2024-08-30
「日本の専門学校に通う外国人を雇用する場合、就労ビザの手続きはどうすればいいですか?」という質問をよくいただきます。
現在専門学校を卒業(予定)の外国人留学生について、就労ビザの内容や、「留学」ビザからの変更の時期や手続き、申請する場所などをビザ専門の行政書士が詳しく説明します。
専門学校生の外国人が「留学」ビザから就労ビザへ変更する方法
一般的に専門学校生の外国人が企業で就労する場合、「技術・人文知識・国際業務」(技人国:ぎじんこく)ビザという就労ビザへ変更をしますので、ここでも「技人国」ビザへの変更について説明していきます。
留学生に内定を出す時期
停止条件
例1:本契約は在留資格及び在留期間について日本国法務省による許可を条件とする (This contract shall be subject to the Employee’s having a proper working visa and stay permission in accordance with Immigration Laws in Japan)
例2:この雇用契約は、日本政府の正当で就労可能な在留資格の許可または在留期間の更新を条件として発効する (This agreement shall take effect on receipt from Japanese government of work and residence permission or renewal of that permission.) |
技術・人文知識・国際業務ビザの申請時期
12月中に申請してすぐに結果がでたら??
前倒しに準備されて、12月初旬にビザの変更申請した場合に、もし審査が1カ月程度で完了した場合、翌年の1月に就労ビザがもらえるのでしょうか??
答えはNOです。この場合、申請翌年の3月に外国人が学校を卒業し、申請した入管で許可通知ハガキ等と卒業証書の原本提示と引き換えに、「技人国」の在留カードがもらえます。
審査が早く終わった場合、許可通知ハガキは届きますが、卒業前に新しい在留カードをもらえることはありません。
ですので、12月に申請して翌年1月に結果が出ても、同年3月に結果が出ても、新しい在留カードをもらえる時期は同じです。ただし、早く結果が出ていたほうが安心な上、万が一不許可だった場合に再申請をするための時間もあります。許可だった場合には卒業旅行や一時帰国、転居等の計画も立てやすいので、できるだけ前倒しで手続きを進めるようにしましょう。 |
技術・人文知識・国際業務ビザとは?
企業で就労する外国人は、約90%の方がこの「技術・人文知識・国際業務」ビザを取得して働いています。一般的には就労ビザと呼ばれているもので、理学・工学・法学・経済学等の分野に関する技術や知識、または外国の文化に基盤を有する思考もしくは感受性を必要とする業務に従事するためのビザです。
「技術・人文知識・国際業務」で1つのビザの名称ですが、内容的には「技術」「人文知識」「国際業務」それぞれ分かれています。それぞれに該当する業務は次のようなものがあります。
「技術」に該当する例
技術に該当する業務は「理学、工学その他の自然科学の分野に属する技術を要する業務」のことです。専門的な技術又は知識を必要とするものでなくてはなりません。
【例】
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「人文知識」に該当する例
人文知識に該当する業務は、「法律学、経済学、社会学その他の人文科学の分野に属する知識を要する業務」のことです。学問的・体系的な知識を必要とする業務でなくてはなりません。
【例】
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「国際業務」に関連する例
国際業務に該当する業務は、「外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務」のことです。外国に特有な文化に根差す、一般の日本人が有しない思考方法や感受性を必要とする業務を意味します。
外国の社会・歴史・伝統の中で培われた発想・感覚を基にした一定水準以上の専門的能力を必要とするものでなくてはなりません。
【例】
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技術・人文知識・国際業務(技人国)ビザへ変更するための要件
「技人国」ビザへ変更するためには多くの要件があります。
これからご説明する要件を知らずに学生に内定を出した後に、就労ビザを申請したけれどビザがおりなかったという話は実はよくあります。就労ビザという俗称から、どんな仕事でもできるのだろうと思い違いをされている担当者様も稀にいらっしゃいます。
就労ビザというのは就労可能なビザの総称です。就労可能なビザは19種類程度あり、それぞれ取得するための要件と働くことができる範囲が異なります。「技人国」ビザは就労ビザの一つにすぎませんので、就労できる範囲というのは思っているよりも狭いものとお考え下さい。
技術・人文知識・国際業務ビザ取得の要件
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詳しく見ていきましょう。
1.本人の経歴(「学歴」または「職歴」)
「技人国」ビザを取得する場合には「学歴」か「職歴」のいずれかが必要です。
学歴
まず学歴については下記チャートの通り、日本の専門学校を卒業し専門学士を取得すれば、「技人国」ビザ取得のための学歴要件を満たします。
外国の高校や専門学校卒業の場合は「技人国」ビザを取得できません。外国で短大や大学(院)等日本の学士(または短期大学士等)相当の学位を取得し、日本の専門学校に在学している場合には、現在通学中の専門学校を中退しても要件は満たします。
就職後の職種との関連性を確認するために、まずは成績証明書のコピーを入手しましょう。成績証明書については履修科目が全て載っているものをご用意し、どのような内容を履修したかをご確認ください。本国で大学等を卒業している場合には、大学の卒業証明書や成績証明書のコピーを入手してください。
就職予定の機関と締結した雇用契約書や労働条件通知書に記載された職務内容が、専攻科目と関連があるかどうかをチェックします。
出席証明書も入手しましょう!
大学卒の外国人材を採用する場合と異なり、専門学校生を採用する場合には「出席証明書」も予め入手しましょう。大学生の場合は出席率に関わらず単位を取得すればビザ取得に影響はありませんが、専門学校の場合には出席率がビザ取得に大きく影響します。
具体的な出席率の規定はありませんが、例えば出席率50%の専門学校生が「技人国」ビザを取得することは原則できません。 |
専門学校の場合、卒業してもビザを取得できない職種がたくさんあります。その場合、その職種で就労ビザを取得することはできませんが、本国の大学等で履修した科目と関連する職務、または次の職歴(実務経験)と関連する職務で内定が出れば、申請可能です。
ただし、実務経験については、「技人国」ビザ等就労ビザに該当する実務経験でなければなりません。つまり、工場や建築現場での作業員や接客業などの経験が10年以上あっても、実務経験とはみなされませんのでご注意ください。
職歴
実務経験は業務により10年(または3年)の実務経験があることが要件です。
専門学校に通う外国人留学生の中には、本国で就労経験がある方もいらっしゃいます。第2新卒等で採用をされる場合には該当する場合があるかもしれません。
この10年(または3年)という職務経験には、企業で実際に働いた期間はもちろん、大学や高等学校、中等教育学校の後期課程や専修学校(海外の教育機関も含む)で関連する科目を専攻した期間を加算することができます。
過去に勤務した企業などから書類を入手し、実務経験を証明していく作業が必要ですが、通常の学歴で申請するよりも難易度が高く、過去に勤務した企業が倒産していたり連絡がつかないなどの理由で証明資料を入手できないと、ビザの取得は難しいでしょう。
また、実務上では在職していた企業や店舗に依頼して在職歴など在職証明書を偽造することが横行していたこともあり、疎明資料として単独では弱い部分もあります。その場合には在職証明書を公正証書にしたり、当時働いていた期間の給与明細や同僚の写真などあらゆる方法で補強していくことが考えられます。
またこの在職証明書には、次のような必ず記載すべき項目があるのでご注意ください。
在職証明書の必要記載事項
※可能な限り具体的な記載が必要です。この項目を入管では重視します。 ※※実際に入管では外国人スタッフに電話確認させます。 |
2.履修した科目と職務内容の関連性
専門的・技術的であっても、外国人留学生が大学や専門学校で修得した専門的な技術や知識とは関連のない業務で就労させることはできません。関連性のある職種で働くことを書面で証明することが求められます。
この関連性ですが、大学における専攻科目と従事しようとする業務の関連性については、比較的緩やかに判断される一方で、専門学校につきましては大学とは設置目的が異なるので、業務との関連性が厳格に審査される傾向があります。つまり専門学校での専攻内容は、業務との関連性についてほぼ完全一致が求められるということです。
また、専門士の場合には就労ビザを取得できる分野が限定されており、例えば美容や保育など専門士を取得しても就労ビザを取得できない分野が数多くあるので注意が必要です。
3.会社の経営状態
出入国在留管理局では、外国人本人を審査すると同時に、受け入れる会社についても審査をします。つまり安定的・継続的に外国人材を受け入れる基盤がその会社にあるかどうかを審査するので、外国人本人がビザ取得の要件を満たしていても、会社の経営状態により不許可になることがあります。
会社の直近年度の決算が赤字状態の場合や、1度も決算期を迎えていない新設会社の場合、現在の経営状況と今後のビジョン、すなわち具体的な売上げ向上のための方策や方針を打ち出し、それらを実行して黒字化するための事業計画書を作成し、申請の際に提出する必要があります。
4.雇用の必要性・業務量
外国人本人の専攻と密接に関連した業務であったとしても、許可が下りない場合があります。それは、そもそもその会社でその仕事をさせる必要性がない場合や、十分な業務量が見込まれない場合です。
例えば、リゾートホテルでインド人を翻訳・通訳として雇用したいという場合、宿泊客の大半が中国人であったり、通訳を必要とする客がほとんどいないような場合、ホテルがインド人を雇用する必要性も業務量がないので、不許可となる可能性が高くなります。
5.日本人と同等以上の報酬
こちらは同じ会社で同じ職務に就く日本人社員と同等以上の給料を支払うことが必要とされます。国籍によって不当に外国人と日本人で給与に格差をつけることは禁じられています。
報酬額は一律に決められているわけではありません。企業の賃金体系を基に日本人と同等額以上である必要があり、もし自社に賃金体系がなかったり、他に雇用している人間がいないような場合には、他の同種の企業の賃金体系を参考にして日本人と同等以上であるかという点から判断されます。
「報酬」の範囲はどこまで??
ここでいう報酬は、役務の給付の対価を意味するので、通勤手当・住宅手当などの実費弁償は含まれません。また、扶養手当についても被扶養者の有無による審査上の不平等を生じさせないため、報酬に含めないこととされています。
また退職金や見舞金、結婚祝金、現物給付としての住宅手当や旅費、食費、作業着や制服にかかる費用については、実質的にそれらが見舞金・恩恵的・福利厚生的なものは報酬に含まれませんが、就業規則や労働契約等で支給条件が明らかにされているものについては報酬に含まれます。 |
6.本人の素行
こちらは多くの普通にまじめに日本で暮らしている外国人は特に問題になることはありません。過去に退去強制や逮捕歴、犯罪歴がないかどうかということです。
ただし、留学中のアルバイトにおけるオーバーワークは厳しく審査されます。つまり、週28時間(夏季休暇期間等では40時間)を守っていたかどうかということです。
オーバーワークに関しては入管はとても厳しく、課税証明書などから発覚した場合には「技人国」ビザへの変更はできませんのでご注意ください。
技術・人文知識・国際業務ビザ変更の手続き
次の必要書類等を持って、地方出入国在留管理局へ申請します。審査期間は人それぞれ異なりますが、1か月~2.5か月程度です。繁忙期はさらに審査期間が延びる傾向にあります。
必要書類等
ビザ申請のため入管へ提出する書類等は、所属予定の機関の規模や申請する外国人の経歴等によってかなり異なります。ここでお問い合わせの多いカテゴリー3の機関(法定調書合計表上の源泉徴収税額が1000万円未満の機関)で働く場合の申請書類等についてご案内します。
- 在留資格変更許可申請書【PDF形式】
- 在留資格変更許可申請書【EXCEL形式】
- 写真1葉
- パスポート原本提示
- 在留カード原本提示
- 専門学校の卒業見込み証明書(卒業後、卒業証書原本提示)
- 専門学校の成績証明書
- 専門学校の出席証明書
- 課税・納税証明書(または非課税証明書)
- 履歴書
- 日本語能力の証明書など(適宜)
- 履歴事項全部証明書
- 会社定款
- 直近の決算書
- 前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表(受付印のあるもの)のコピー
- 日本での活動に応じた資料
- 雇用理由書
- 雇用契約書(または労働条件通知書)
- 通知はがき(入管でもらえます)
必要書類につきまして
法務省の入管HPでは、上記のようなビザ申請に必要な書類の一覧表が公開されています。
しかし、これらの公表書類は「申請を受け付けはしますよ」、という必要最低限の書類なので、公表書類のみで許可を取得できることはほぼありません。
許可取得の可能性を最大限まで上げるために、当事務所では申請人様のそれぞれの事情から、さらに添付すべき書類そして添付すべきではない書類を判断し、最適な申請をさせていただいております。 |
申請できる人
- 外国人本人
- 法定代理人(申請者が20歳未満の場合など)
- 雇用機関等の責任者や担当者(注:申請取次の承認を受けている場合のみ)
- 行政書士(申請取次の届出済の行政書士)
申請先
§ 営業職 留学生A様
・営業職の実務経験から技人国 ・2度不許可からの、再々申請
『 私は東京の日本語学校を卒業して、自分の学歴で『技術・ そして、先生のホームページを拝見し、自分と似た境遇の『 民営教育のため学歴が日本国で認められず、 先生に同行して頂き、入国管理局で再不許可の理由を聞き出し、 コロナの影響もありまして、 先生のおかげ様で在留資格変更の許可を取得できたことで、 |
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この記事を書いた人
![]() 金森 大
国際物流会社にて本社海外業務部を経てハンガリー駐在員事務所立ち上げ、同所長として駐在。帰国後、自身の就労ビザ取得経験から外国人ビザ取得のサポートに特化した行政書士事務所を2018年開業。年間相談件数1500件以上。
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【講師実績】
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■必要書類、申請書の書き方のご相談 お客様の大切なビザに関わる判断を誤らないために、ご自身で申請する際のビザ取得方法や必要書類のお問い合わせ、申請書の書き方のご相談は受け付けておりません。
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