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外国人が会社設立をする際の事業年度の決め方について
2020-11-22
外国人の方が日本で会社を設立する場合に、事業年度についてご相談を受けることがあります。
いつを決算として事業年度を区切ればよいのかということは、よくわかりませんよね。ここでは決算の時期や事業年度をどのように設定すべきかをかんたんに説明しています。
外国人が会社設立をする際の事業年度の決め方について
事業年度と決算期
外国人の方が会社を設立する場合にも、意図的に期間を区切って、会社の利益や資本金がどれだけ増えたのか、財産が会社にどのくらい残っているのかを計算しなければなりません。
これを「決算」といい、意図的に区切った期間のことを「事業年度」といいます。事業年度は、1年を超えなければ何カ月でも会社が自由きめることができます。一般的には1事業年度は12カ月にして、月末を決算日にすることが多いです。決算には多くの時間を取られるので、ご自分のビジネスの繁忙期と照らし合わせて、決算期はその時期を避けるのがおすすめです。
決算から2カ月後には税務署に税金の申告をする必要があるので、登記後すぐに決算が来ることがないように気を付けてください。たとえば9月決算の会社を9月20に設立すると、10日後にはすぐに「決算・申告」という事態になってしまいます。
そこで資本金1000万円未満の会社なら、消費税メリットを最大限生かせるように、設立の日から数えてできるだけ長く、12カ月後が決算期になるように設定します。設立の日とは、法務局に登記の申請をした日をいいます。つまり9月20日に登記を申請したなら、事業年度は「9月から翌8月」がベストということになります。
ただし、設立1年目から売り上げが見込める場合、具体的には最初の6カ月間で売り上げが1000万円を超えることが予測される場合や、役員も含めて最初の6カ月の人件費が1000万円を超えることが予測される場合には、設立の日から7カ月目に決算が来るように設定します。つまり、9月20日に登記を申請したなら、決算期は3月がおすすめということになります。
最初の会計年度が7カ月になるような決算期の設定
設立して半年後から売り上げが1000万円を超えてしまう会社や役員報酬など人件費の6カ月の合計が1000万円を超える優良会社でも、資本金が1000万円未満であれば、初年度は消費税免税事業者のメリットを享受できます。問題は設立2年目です。
この場合、2年目も消費税免税事業者のメリットを受けることができる可能性があります。それは、消費税の免税事業者のメリットを最大限活用するために、設立1年目の会計年度が7カ月になるように決算期を決めておけば、2年目の12カ月と合わせて最大19カ月分の消費税メリットを受けることができます。
【消費税の免税事業者チャート】
決算公告
決算公告とは、自社に対する信頼や信用を高めるために、決算書(「貸借対照表」や「損益計算書」)を官報や新聞紙上で公開して純資産に内部留保があることを示すことで、財務状況の安全性と健全性を公に示すものです。
決算公告は全ての株式会社に対して法律で義務付けられている制度なので、広告をしなかった場合には100万円以下の過料がかかることになっています。会社規模にかかわらず公告する義務があります。
決算公告の費用
官報による決算公告の掲載料は、中小会社で6万円~9万円です。全国紙の日刊新聞の掲載料は、60万円~です。インターネット上で自社のホームページ上への掲載やインターネットモールへの掲載というケースもあり、掲載料は2万円~程度に抑えられる一方、決算公告のURLを法務局に登記したり、公告した内容は5年間掲載する必要があるといった手間がかかるので利用される方は限定的となっているようです。
決算公告の方法
決算公告は、上記のように官報や日刊新聞のほか自社のホームページ(電子公告といいます)に掲載して行うこともできますが、1~2人で外国人の方が会社を設立した場合には、迷わず「官報」での公告を選択することをおすすめいたします。
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この記事を書いた人
金森 大
国際物流会社にて本社海外業務部を経てハンガリー駐在員事務所立ち上げ、同所長として駐在。帰国後、自身の就労ビザ取得経験から外国人ビザ取得のサポートに特化した行政書士事務所を2018年開業。年間相談件数1500件以上。
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