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外国人の中途採用で注意することと必要な手続き

2018-12-16

2023-11-14

 

外国人を中途採用する場合にはいくつか注意点があり、外国人雇用特有の手続が必要です。ここでは採用時の注意点と採用後の手続きについてかんたんに説明しています。

 

外国人の中途採用とビザ

 

外国人の中途採用で注意することと必要な手続き

外国人中途採用した場合、まずは日本人を中途採用した場合と同様の手続きを行います。たとえば年金手帳や雇用保険被保険者証の提出、社会保険の加入手続きを行います。

 

また、給与から控除する住民税の手続きや、転職前の会社を退職する際に交付された源泉徴収票の提出といった手続きも日本人と同様です。労働基準法、育児介護休業法の適用についても日本人と同様です。

 

それでは日本人採用と異なる点をご説明します。

 

 

 

在留資格の変更が必要な場合は入社前の変更が必須

転職する前のビザで許された活動とは異なる活動をする場合には、ビザの変更が必要となります。具体的には「在留資格変更許可申請」をします。

 

たとえば「教育」ビザで高校の英語教師をしていた外国人が民間企業の翻訳・通訳に転職するのであれば「技術・人文知識・国際業務」ビザへの変更が必要となります。

 

この在留資格変更許可が下りるまでは、転職先で就労することはできませんので、ご注意ください。

 

転職後は「就労資格証明書」の取得がおすすめ

コンプライアンスを徹底するのであれば、「就労資格証明書」を取得しておくことをおすすめします。

 

「就労資格証明書」とは、外国人が転職をする前に、新しい勤務先の会社で働けますよ、ということを入国管理局からお墨付きをいただく証明書のことです。ビザの変更が必要がない場合でも、新しい勤務先での業務でビザの該当性があるのか心配な場合、就労資格証明書を得ておくのが望ましいです。

 

例えば、外国人エンジニアが転職し、新しい勤務先でも同じくエンジニアとして勤務するようなケースでは「技人国」のビザ変更は基本的には必要ありません(ただし雇用会社も審査対象ですので、財務状況が悪い場合などは次回のビザ更新時に不許可となる可能性はあります。

 

「技術・人文知識・国際業務」ビザは、以前の会社の職務内容と本人の学歴とを照らし合わせて許可が下りているものなので、審査の対象となる会社が変わっている場合、転職先の会社でも許可が下りるとは限らないのです。

 

このような場合、次回の更新申請で更新が許可されず、最悪の場合は1度帰国せざるを得なくなります。

 

新しい勤務先で働くことができるかどうかを出入国在留管理局に確認してもらうためにも、そして次回更新ができるか心配することなく安心して働いてもらうためにも、就労資格証明書を申請することをおすすめします。

 

この就労資格証明書というのは任意書類ですので、法務省入国管理局のホームページに詳しい申請手続きは載っておりません。企業として会社名が入った就労資格証明書が欲しいというケースがあるかもしれませんので、手続き等ご不明な点は就労ビザを専門とする行政書士にご相談ください。

 

なおこの証明書は就労できる場合、できない場合、いずれの場合にも必ず発行されます。こちらの証明書を取得することで、雇用主様が就労できない外国人を知らずに雇用してしまった場合のリスク(不法就労助長罪など)がなくなります。

 

就労資格証明書についての詳細はこちら

外国人の転職と就労資格証明書

 

外国人雇用後に必要な届出

転職後14日以内に契約機関に関する届出をしましょう

 

就労の在留資格の外国人が転職し、新しい勤務先に就職したときには、14日以内に入国管理局に外国人本人が「契約機関に関する届出」をすることが義務付けられています。様式は法務省のホームページからダウンロードできます。

 

この「契約機関に関する届出」は転職の場合に、外国人本人がしなければならない届出です。これらの届出は外国人本人がすることになっていますが、雇用主が代理で届けることもできます。また、届出を怠った場合には20万円以下の罰金に処せられることがあります。

 

外国人がこの届出のことを知らないことがよくあります。その場合、雇用主が外国人が離職する際や入社する際に教えてあげてください。また、これから雇用する場合には代理で届出ることで、次回のビザ更新時に雇用した外国人に不利益が生じることを事前に防ぐことができます。代理で届ける場合には、外国人本人の署名が必要です。

 

 

 

入管へ行く時間がない雇用主の方のために、届出の代行サービスもございます。

 

契約機関に関する届出の料金はこちら

契約機関に関する届出料金

 

 

外国人雇用状況の届出(会社が行う手続)

会社が行う手続きとして、外国人を雇用した場合には雇用対策法、入管法で定められた「外国人雇用状況届」の届出を行うことが義務付けられています。これは正社員、派遣社員、アルバイトを問わず必要で、ハローワーク(を通じて厚生労働大臣)へ届出をします。

 

雇用保険に加入している社員の場合

「雇用保険被保険者資格取得届」を届け出ます。

 

この雇用保険被保険者資格取得届の備考欄に、外国人の国籍・地域、在留資格、在留期間、資格外活動の有無などを記入し、届出をしてください。

 

雇用保険に加入していない社員・アルバイトの場合

「雇い入れ・離職に係る外国人雇用状況通知書」を届け出ます。

この雇い入れ・離職に係る外国人雇用状況通知書に、氏名、在留資格、在留期間、生年月日、性別、国籍・地域、資格外活動許可の有無、雇い入れ年月日などを記入して届出をしてください。

 

 

ハローワークに届出していれば、現在は原則として出入国在留管理局への届出(中長期在留者の受入に関する届出書)は不要です。将来的にこちらの届出も義務になるという話もありますが、ハローワークにとどけ出ることによって、2019年現在は入管への届出は原則不要となっています。

 

 

 

これらの届出以外は、原則、日本人を雇用する場合と同様と考えてください。

 

 

次回のビザ更新をお忘れなく

 

雇用した外国人の中には、意外と自分のビザの更新時期に無頓着な方がいます。必ず雇用主様のほうで在留期限を確認し、次回の更新時期を把握しておくようにしましょう。

 

現在の在留期間が満了する3か月前から更新手続きをすることができます。実は更新が間近な方がいるかもしれません・・・

 

 

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この記事を書いた人

 

金森国際行政書士事務所代表 金森大
金森国際行政書士事務所 代表

金森 大

 

国際物流会社にて本社海外業務部を経てハンガリー駐在員事務所立ち上げ、同所長として駐在。帰国後、自身の就労ビザ取得経験から外国人ビザ取得のサポートに特化した行政書士事務所を2018年開業。年間相談件数1500件以上。

 

【取材実績】

  • 新聞通信社「資格外活動許可と外国人アルバイト」(2019年3月11日)
  • 朝日新聞社「技人国と不法就労」(2020年9月28日)
  • 神奈川新聞社「飲食店での不法就労助長」(2020年10月5日)ほか多数

 

【講師実績】

  • 「技術・人文知識・国際業務」ガイドライン改訂(VICS行政書士渉外事例研究会)
  • 就労系在留資格事例紹介講師(VICA行政書士渉外事例研究会)
  • 入管実務研修会講師(神奈川県行政書士会)
  • 国際行政書士養成講座講師(就労部門)2022年・2023年・2024年
  • 士業対象就労ビザセミナー講師(渋谷区)
  • 横浜中央支部研修会国際業務講師2022年・2023年・2024年
  • 「社会制度セミナー(外国人コミュニティ社会参加促進事業)」セミナー講師 第4回「知っておきたい在留資格 ~安定した未来を築くために~」((公財)かながわ国際交流財団) ほか多数

 

 

 

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