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外国人会社設立における資本金と株式について解説します

2020-11-21

 

外国人の方が日本で会社を設立してビジネスをスタートするにあたって、ほとんどの場合は株式会社を設立することになるかと思います。

 

ここでは株式会社設立する際の、資本金の決め方や株式についてかんたんに説明しています。

 

 

外国人会社設立における資本金と株式について解説します

 

資本金の決め方

会社法上は1円で会社を設立できることになっているのはご存知かもしれません。ですが、外国人の方は会社を設立することが目的ではなく、経営管理ビザを取得してビジネスをスタートさせ成功させることが目的です。1円で会社を設立しても、ビジネスをスタートさせることはできません。

 

会社設立の際には司法書士や税理士、行政書士などがその業務を行っていますが、外国人業務に詳しくない先生に会社設立をお願いすると、稀に500万円に満たない資本金で会社を設立してしまうことがあります。当然経営管理ビザの申請はできませんので、窓口としてはビザに精通した行政書士などに依頼することが外国人会社設立では重要になってきます。

 

資本金というのは、あなたの会社をスタートさせるための元手となる資金のことです。資本金として出資した場合、そのお金の所有権は会社に移ることになるので、会社の銀行口座から自由に引き出してあなたの個人的な用途に使用することはできなくなりますのでご注意ください。

 

では資本金はいくらぐらい用意したらよいでしょうか。資本金の額は次のように考えて決めるとよいでしょう。

 

資本金として用意する額

 

  1. 開業に必要な設備や改修費用、家賃、人件費、仕入代金などを支払うための運転資金を計算する
  2. 事業を軌道に乗せるまでに、どの程度の期間と資金が必要かを予測する

 

上記2つから、金融機関や親族などから借りられる金額を差し引いた額

 =資本金としてあなたが用意する額

 

 

外国人の方の場合、会社を設立し、許認可を取得して明日から開業可能という状態になって初めてビザの申請という順番が原則です。経営管理ビザの審査は長期に渡り、6~8カ月程度かかることもあります。さらに、不許可となり再申請をした場合、その倍近くの期間を審査に費やすことになり、その期間営業することはできず空家賃が発生するということは想定しておかなくてはなりません。

 

経営管理ビザは学歴や職歴が不要な分、審査がとても厳しく、最終的にビザが下りないこともよくあります。上記のようなリスクが発生することを十分に理解した上で計画を立てるようにしましょう。

 

あなたがビジネスをスタートするにあたって、金融機関から創業融資を受けることもあるかもしれません。その場合、資本金の額で借入の限度額が決まるので、一般的に資本金は多いにこしたことはありません。

 

その他、あなたの行うビジネスに許認可が必要な事業を行う場合、資本金についてあらかじめ監督官庁に問い合わせておく必要があります。許認可とはあなたの国ではライセンスと呼ばれているかもしれません。飲食業営業許可とか旅行業の許可などです。許認可によっては資本金の最低必要額が決まっているものがあり、例えば人材派遣業は2000万円が必要です。

 

しかし一方で、資本金が大きいと税金が高くなるという問題もあります。たとえば資本金が1000万円を超えると均等割という税金が高くなったり、1000万円以上になると消費税の節税メリットがなくなったりするので注意が必要です。

 

これらを総合的にふまえて資本金の額を決定するようにしましょう。

 

資本金の使い道

■開業資金

  • 会社設立費用
  • 事務所、店舗の保証金
  • 商品などの購入費
  • 事務所、店舗の内装費
  • 車、パソコンなど資産購入
  • ホームページや封筒などの作成費用
  • 従業員を雇うための費用
  • 許認可手続き費用

 

■運転資金

  • 人件費
  • 家賃、リース料など固定費
  • 仕入れ代金
  • 外注支払い
  • 借入金の返済
  • 交通費や通信費
  • 交際費や会議費
  • その他経費

 

 

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資本金の出資者

「発起人」とは、会社の最初の株主です。通常あなたが会社を設立する場合はあなたが発起人です。もしくはあなたたの配偶者や両親、日本にいる協力者などに出資してもらうこともありえます。

 

他人から出資してもらう場合には、2/3以上の議決権が確保できるようにすることを推奨します。株主総会の決議方法には「普通決議」と「特別決議」という2種類があります。

 

  • 普通決議:株主の過半数が出席し、その過半数が賛成することで成立する決議のことです。
  • 特別決議:株主の過半数が出席し、うち2/3以上が賛成すれば成立する決議のことです。

 

会社設立当初は順調な関係であっても、万が一将来株主間で紛争が起きたときには、株式の保有割合が最終的な決定力を発揮します。他人に出資してもらうなら、リスク管理が必要なので、司法書士や税理士など専門家に相談することをおすすめします。

 

 

外国人会社設立と株式

普通株式と種類株式

すべての株主は平等であることが原則ですが、定款で決めれば不平等な株式を発行することもできます。例えば、議決権はないけれど優先的に配当できる株式や、役員を決める権利だけを持つ株式を発行できる可能性があります。

 

ただし、この種類株式は特殊な発行方法なので、外国人の方が会社設立する際には「普通株式」の発行を選択すればよいでしょう。

 

株式の譲渡制限について

本来、株式は自由に売買ができるものです。あなたや協力者だけでスタートした会社でも、長い人生の中で、将来、相手が全く知らない他人に株を売ってしまう可能性もあります。

 

そこで、あなたの会社の株を見ず知らずの他人が買うというリスクを回避するために、会社が発行する全ての株式に「譲渡制限」を付けておくようにしましょう。会社が発行する全ての株式に譲渡制限がついている会社を「株式譲渡制限会社」といいます。

 

株主があなた1人という場合でも、株式譲渡制限会社には決算書の注意書き容易であること、役員の任期が10年までは伸ばせることなど、多くのメリットがあるので、すべての株式に譲渡制限を付けておくようにしましょう。

 

株式に譲渡制限を付けたら、誰(どの機関)が株式の売買を承認するかを決めますが、将来的にあなたが株式の過半数を持ち続けることが確実なら「株主総会」、絶対にあなた以外の人が代表取締役になる可能性がないなら「代表取締役」にしておきます。

 

発行株式の総数

まずは1株いくらで発行するか(1株の発行価格)を決めなくてはなりません。株をいくらで発行するかは、1円でも1000円でも、会社が自由に決めることができます。自由に決めていいですが、最初から上場を目指しているということでなければ、一般的には1万円または5万円とする方が多いようです。

 

次に、資本金の額と株式には相関関係があり、次のようになります。

 

・資本金の額=1株の発行価格x株式数

 

つまり、会社が発行する株式数うに1株の発行価格を乗じたものが設立人資本金ということになります。そこで、資本金を1株の発行価格で割ったら「設立に際して発行する株式」の数が計算できます。

・設立に際して発行する株式数=資本金の額÷1株の発行価格

 

発行可能株式総数

次に、将来発行する予定の株式の上限である「発行可能株式総数」を決めます。

 

株式譲渡制限会社なら、発行可能株式総数は自由に決められます。例えば将来、5000万円まで増資をするかもしれないというイメージがあれば、5000万円を1株の発行価格で割った数字が、発行可能株式数ということになります。

 

もしまだそのようなイメージが沸かない方は、設立時の10~20倍程度に設定するようにしましょう。ただし、資本金が1億円を超えてしまうと、中小企業の税法上の特典が受けられなくなるので、上限は9000万円ぐらいにとどめておくといいでしょう。

株券の発行

 

株券は「発行しないのが原則」です。以前は紙で株券を発行してる時代もありましたが、現在ではあえて株券を発行するという場合にはその旨を予め定款に記載する必要があります。ですので、原則「不発行」であることを覚えておいてください。

設立に際して出資される財産の最低額

こちらは資本金として出資する予定の金額と同額を記載して問題ありません。

 

 

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