トップページ > 在外公館(日本大使館・総領事館)での査証(VISA)不発給
在外公館(日本大使館・総領事館)での査証(VISA)不発給
2019-04-03
2023-11-14
海外から外国人材を呼び寄せる場合、通常は在留資格認定証明書(COE)が交付されればほぼ安心して呼び寄せることができます。ところが、COEが交付されても在外公館で査証(VISA)が発給されないことがあります。
在外公館(日本大使館・総領事館)での査証(VISA)不発給
海外から外国人を呼び寄せる場合、通常は日本の出入国在留管理局で「在留資格認定証明書交付申請」をして在留資格認定証明書(以下COE:Certificate of eligibility)を交付してもらう手続きをします。
その後入管からCOEが交付された場合、呼び寄せたい外国人の本国へCOEを郵送し、本人が本国の在外公館で査証(VISA)の発給申請をし、発給後日本へ渡航します。
日本の入管で何ヵ月も審査したうえで発給されるのがCOEですので、通常はCOEが交付されれば本国の在外公館で査証(VISA)が発給されることがほとんどです。
ところが、COEが交付されたにもかかわらず、査証(VISA)が発給されないことがあります。
在留資格認定証明書≠入国保証
COEは「入管法にあげる上陸のための条件に適合していることを証明するもの」で、外国人を呼ぶための必要書類ですが、在外公館が査証(VISA)発給を保証する書類ではありません。
ですので、在外公館は入管によって審査され問題がなさそうだということで交付されたCOEは重視しますが、その他独自に審査をした上で査証(VISA)を発給するかどうかを判断します。
そして審査の結果、まれに査証(VISA)の発給を拒否されるということが起こり得ます。
COEサンプル画像
なぜ日本領事館で発給されないのか?
まず言えることは、VISA(査証)が発給されない理由について、領事館に問い合わせても回答は得られないということです。日本の出入国在留管理局ではビザの申請が不許可になった場合一度だけその理由を聞くことができるので、その後の対策を立てられるのですが、在外公館ではそのような救済措置はありません。
この点について、在外公館を管轄する外務省では次のようなコメントを出しています。
個々の案件について具体的な拒否理由を回答することは、それらの情報が不正な目的をもって日本に入国しよう・させようとする者により、審査をかいくぐるために悪用されることも考えられ、その後の適正なビザ審査に支障をきたし、ひいては日本社会の安全と安心にとってもマイナスとなるおそれがありますので、回答しないことになっています。 |
また関連して、平成19年にはこのような答申書も外務省から出されています。
「査証関係事務は、(中略)相手国との外交その他二国間関係全体を外務省としての政策判断に基づいて執行する措置であり、法務省における入国審査事務と比し、裁量の幅が広いので、同列に論じることはできない」 |
このように不発給の理由は一切公表してもらえません。ですのでなぜ不発給になるかは現地で独自に得た情報に依拠していると推察しますが、一般的には次のような事情が疑われる場合、現地でVISA(査証)は発給されません。
- 渡航目的が入管法の上陸許可に係る法務省令基準に適合しない場合
- 渡航目的が入管法の本邦において行うことができる活動に適合しない場合
どちらも日本の出入国在留管理局では審査済ですが、領事館ではまた独自の理由で独自に審査をします。
COEの交付と査証(VISA)の発給は、それぞれ管轄する省庁が異なります。入管が把握しきれない情報で在外公館が独自に把握している事由も不発給の理由となりえます。
VISA(査証)が不発給となると
VISA(査証)が不発給になると、発給の拒否を受けた者から同一目的でVISA(査証)発給の再申請をしても、6カ月以内は受理されなくなります。在留資格認定証明書の有効期限は原則として交付の日から3カ月ですので、この期間に認定証明書の効力はなくなります。
さらに、現地の領事館で発給拒否された場合、日本の出入国在留管理局に認定証明書の交付を再申請しても不許可になることがほとんどです。これは、領事館を管轄する外務省から出入国在留管理局を管轄する法務省へ情報が共有され、法務省が認定証明書を交付をすることにこれまで以上に慎重になることが原因です。
VISA(査証)というのは上陸港において上陸の審査に当たる入国審査官に対して、当該外国人の日本への入国及び在留がVISA(査証)に記載されている条件の下で適当ですよ、という「推薦状」の性質を持ちます。ですので、領事館が推薦しないのに、出入国在留管理局が認定証明書を交付することはなかなか考えられません。
ですので日本で認定証明書交付の再申請をすることは理屈の上では可能ですが、実際には許可が下りる可能性は限りなく低いと言えるでしょう。
ただし、VISA(査証)発給拒否の時から大きく事情が変わったり、人道的理由から日本へ渡航する必要が生じたような場合には、拒否事由から6カ月を経過していなくても再申請を受理されることがありますので、このような事情をお持ちの方は本国の日本大使館・総領事館等へ相談されることおすすめします。
この記事を読んだ方は次のような記事も読んでいます
技術・人文知識・国際業務(技人国)ビザ
技術・人文知識・国際業務ビザ必要書類
企業内転勤ビザ
高度専門職ビザ
高度専門職(高度人材)ビザとポイント制
医療ビザ
介護ビザ
教授ビザ
教育ビザ技
研究ビザ
芸術ビザ
興行ビザ
技能ビザ(調理師)
インターンシップ(特定活動ビザ・短期滞在ビザ)
外国人採用のプロセス(海外から呼び寄せる場合)
自分でビザ申請する場合との比較
横浜で就労ビザ申請なら
神奈川で就労ビザなら
在留資格一覧
就労ビザの審査期間
この記事を書いた人
金森 大
国際物流会社にて本社海外業務部を経てハンガリー駐在員事務所立ち上げ、同所長として駐在。帰国後、自身の就労ビザ取得経験から外国人ビザ取得のサポートに特化した行政書士事務所を2018年開業。年間相談件数1500件以上。
【取材実績】
【講師実績】
|
ビザ相談、無料です